Percision and Order
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ローマの休日 ミュージカル

6月3日 マチネ @ Golden Gate Theatre

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これはプレブロードウェイ作品で、ご存じ映画ローマの休日をコール・ポーターの楽曲を使いながらミュージカル化したものだ。クリエイティブチームはBeautiful The Musical Carol King Broadway Showを手掛けた人々で、あの作品もプレブロードウェイをSFで上演した。
果たして二匹目のどじょうはいるのか?

いままでジュークボックスミュージカル(例えばJersey BoysとかMammaMia, 最近ではBeautiful)とか映画からミュージカル化(TheLion King, Billy Elliot, Hairspray, Sunset Boulevard, Beauty and the Beastと上げればきりがない)とかいろいろあるけれど、ジュークボックスの場合は脚本はオリジナルだし、映画からミュージカル化の場合は楽曲はやっぱりオリジナルだ。(美女と野獣はオリジナル曲をあとで無理やりつけたけど、元々がミュージカルアニメーションだからジュークボックスミュージカルとは違う)。でもこの作品は既成のコール・ポーターの曲をローマの休日のストーリーにはめ込む形になっていて、曲があっているシーンとあってないシーンの差がありすぎたように思える。しかもコール・ポーターの版権を管理する団体から「KissMe Kate」と「Anything Goes]からの曲以外なら何でも使っていいと許可されたそうで、それでも有名なKMKAGからの曲が使えないのはネックになったかも。


この作品はワールドプレミアと歌っていないのは、実はすでに2001年にリージョナル劇場で1週間の上演があったのと、2012年にやはり歴史あるリージョナル劇場でキャストを変えて上演されたので、3度目の正直というところかもしれない。楽曲もだいぶ入れ替わっているようだ。

ストーリーは映画の通りに進むけど、まず映画には出てこないアン王女のおば様がシャペロン役として出てきてコメディ部門を担当している。GeorgiaEngel The Drowsy Chaperoneでも似たような役を演じていて、2012年の公演でのおば様とは全く違う雰囲気だ。彼女はTVでも有名なので、やっぱり一般人が見に行くブロードウェイ公演となると、そういうネームバリューが必要になってくるのだろう。

そのほか映画と違うのはジョーの友達のカメラマンのアービングにはイタリア人の恋人がいて、なかなかプロポーズしないとイラついている、という設定でサブプロットではないけれど、最初から最後までアン王女とジョーの話ばっかり、ということは避けられていた。ただこのキャストがアービングにはBeautifulのオリジナルキャストでもあり、またJersey Boysのフランキーの役でも活躍していたJerrodSpencerで、もちろん歌は超うまいし、サイドキックとしていい味を出していたし、アービングの恋人フランチェスカの役をSaraChaseが演じて、歌もダンスも安定していたし、カップルとしてはアン王女とジョーよりもよっぽどchemistryがあったので、余計にメインの二人が弱くみえたような気がする。

アン王女のStephanie Stylesは私は好感が持てたけど、やっぱり最初の10分ぐらいでのヨーロピアンツアーのシーンや着替えのシーンで、世間一般から離れたところで生まれ育った高貴な王族のプリンセスという雰囲気をだすのは難しく、それがないままローマの街に出てしまっては王女のお忍びの一日、という設定が全く生きてこない。

ジョーのDrew Gehlingはなんというか、ハンサムなだけ(笑)、私個人としては何の魅力も感じなんだけどWaitressにもOBCでキャストされているし、ブロードウェイで活躍できる何かを持っているんだろうなぁ。

この公演は長年のシアター友達と見たんだけど、インターミッションの時に私が彼に、面白い物語に必ず必要な葛藤やヒール役がないまま1幕が終わったと言い、2幕も結局ほとんど葛藤のないまま終了した。映画はオードリー・ヘップバーンの初々しい魅力とそして映画で楽しめるシネマグラフィがあったからヒットしたのだと思うけれど、ミュージカルはもう少し押しが強くないとサラーっと流れておしまいになってしまう。実際に上演時間は20分のインターミッションを入れても2時間弱だった。もちろん映画からあんまり離れたプロットにしてしまうと、映画ファンを怒らせることになるだろうし、難しいところだけどまだ話を膨らませる、とくにアン王女の葛藤(もちろん王室を捨てることはオプションにないけど、それでも年頃の女性として心が揺れるさまを盛り込むこともできたと思う。

クリエイティブチームはこの作品を来シーズンのブロードウェイに持っていきたいそうだけど、どの程度手を加えるのかな~?地元の批評はだいたいmixからnegativeだから、それをしっかり肝に銘じて取り組んでほしい。プロデューサー兼脚本家のPaulBlakeがインタビューでコール・ポーターの曲を使ったのは現代の作曲家で1950年代の雰囲気のスコアをかける人が少ないため、って言っていたけど、だったら映画のミュージカル化でなく、オリジナルのミュージカルを作り出すって気合を見せてほしいわ。



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by quast | 2017-06-09 04:54 | 観劇レポート | Comments(0)